老猫メロンの病篤し

20歳と数ヶ月になるわが家のメロンは、人間で言えば98歳にもなろうという超高齢猫。熊本の植木インターの辺りで、車にはねられた母猫のそばにいたところを保護された仔猫です。動物シェルターから、福岡のわが家に来て20年経ちました。ちょうど同じ歳のイングリッシュ・スプリンガー・スパニエルの仔犬を飼い始めたばかりで、犬と猫は一緒に育ちました。仲は悪くなかったのですが、メグに鼻先で転がされたり、餌を横取りされたりするのが、誇り高いメロンは嫌だったようです。メグは善良でしたが、猫の気持ちに配慮するようなデリカシーは持ち合わせていませんでしたから。

15歳でメグが亡くなった後は、家族の愛情を一身に集め、思う存分可愛がられて大満足な毎日でした。美猫ではありませんが、とても賢いメス猫です。何度も病気で死にかかっては、持ち前の強い生命力で回復し、この歳まで頑張りました。そのメロンが、どうも今回は難しいようです。今、私の仕事部屋の机の下で横たわっています。具合の良くない時は、いつもここに来て寝るのです。

老猫メロンの病室になった、私の机の下。
猫は暗く静かな場所を好むので、仕事は別室で。

メロンはアトピーにアレルギー、慢性副鼻腔炎持ちで、おまけに生まれつき涙腺も詰まっています。よく鼻詰まりして、グズグズいう猫でした。15歳を過ぎた頃から、副鼻腔炎の炎症がひどくなり顔は腫れ上がり、鼻だけでなく目からもウミや血が出るようになりました。その度に近所の動物病院で副鼻腔洗浄をして貰い、抗生剤を処方されて何とか収まり数ヶ月…また腫れ上がって治って…、の繰り返し。そのうち、目頭に穴が開き、そこから絶えず血膿が出ている状態に。でも、それなりに元気で食欲も旺盛だったのですが、9月下旬から炎症がひどくなり、抗生剤もあまり効果がありません。何より、鼻詰まりで食欲がなく痩せてしまいました。この3日間、水は飲みますが固形物は食べません。大好きな猫用コンソメスープもちゅーるもほんのひと口舐めるだけ。

衰弱しており、このままだと餓死するかもしれません。点滴や注射で改善する可能性もあるとのことですが、さてどうしようか?と、さっき家族で話し合いました。100歳近い猫です。人間でも終末期にこんな状態だと、点滴の輸液を減らしていきます。枯れるように亡くなる方が楽だからです。

仕事部屋は2階にあり、庭の竹林が見えます。窓ガラスを外して洗った日。
初めて見るような新鮮な景色でした。猫メロンも仔猫の時からこの部屋がお気に入りです。

老猫メロンの病篤し」への8件のフィードバック

  1. 約11年前に亡くなった飼い猫BEEは雄で、
    ボス猫だったものですから喧嘩が絶えず、
    そのせいで猫エイズに感染し、日に日に弱り、食は細り、ガリガリに痩せ、最期には水も飲めなくなっていました。
    「1〜2ケ月位の延命なら可能かも」と獣医に言われるままに、点滴を施してもらったのですが
    一気に注入したせいでしょうか1時間後BEEは
    激しい痙攣をおこし翌日に旅立ちました。

    波多江さんは、終末期医療の専門家でいらっしゃるし、かかりつけの獣医さんとコミュニケーションがしっかりと取れているようで、メロンさんは、幸せですね。
    いろいろ大変だと思われますが頑張って下さい

    • コメントありがとうございます。実は、メロンも亡くなる日の朝、病院で点滴をしました。家族は、このままでいう意見でしたが、私がまた回復するかもしれないと言い張って、連れて行きました。これまで、何度もこんな状態から回復したので、今回もいけるのではないかと考えたのです。朝、起きてきてベランダで日向ぼっこをしていましたから。
      不死身猫だと思い込んでいたのです。100歳になる猫なのに。時々、身内(猫や犬も含めて)のことになると、判断を謝ります。可哀想なことをした、と、てふてふさんも、BEEくんのこと、ずーっと後悔し続けていらっしゃいますよね。

  2. 久しぶりにコメントさせてもらいます。
    ブログは毎回見させてもらっています。

    メロン、頑張ってほしいものです。

    • 北北西の風さま

      お久しぶりです。どうしていらっしゃるかと、ブログ更新する度に考えていました。
      見ていただいているとのこと、ホッとしています。
      コロナ禍で大変な日々ですが、どうぞお元気でお過ごしください。

  3. 2年ほど前にうちの高齢猫が亡くなった時のことが思い出されます。寝付いたのは1日未満ですが、その前に認知症の症状を呈していました。
    何はともあれ、最後は自然に任せるのが猫にとっても幸せなような気がします。

    • コメントいただき、ありがとうございました。
      最後は、猫自身にはっきり拒否されて気づいたものの、
      それまで「延命医療」を続けていました。
      「自然に任せる」という言葉、いつも後で気づくのですね。
      動物でも人でも、相手に入り込み過ぎる私にとって、
      看取りの途中でそれに気づくのが難しいのです。
      Facebookの野の花や山里の風景、いつも拝見しています。
      お元気で。

  4. つらいですね。痛くないように苦しくないようにしてあげてください。

    • 優しい言葉、ありがとうございます。
      もう猫や犬は飼いたくない、最期を看取るのが辛いから、と思いますが、
      どうなることやら。
      昨日、庭の物置の中に、赤ちゃん連れの猫が住んでいるのを発見してしまいました。
      困った…。
      それにしても、コロナ禍、病気以外の部分でも人間の命を蝕んでいるようで怖いですね。

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