初湯は屠蘇風呂で

初湯は屠蘇風呂。NHKの「行く年来る年」で永平寺の除夜の鐘が鳴るころ、お風呂を沸かし、この風情のある紫色の布袋を浮かべます。創業300年、直方市植木の東岡堂特製の漢方ブレンドの薬湯の素。毎年、知人からいただくもので、浴室に馥郁たる生薬の香りが広がります。肉桂、陳皮、センキュウ、フェンネル…。身体も浴室も暖まったところで、窓をちょっと開けると、真冬の冷気がスーッと流れ込み、とっぷり浸かった薬湯の温かさと、顔に当たる外気の冷たさが交流するこの瞬間が「あー、極楽、極楽」。至福は、こんなささやかな瞬間にあるのかもしれません。

浴室の窓ガラスは、通販サイトで窓ガラスシートを購入してDIYで。シックな色合いと植物系の総柄ですっかりお風呂がおしゃれに変身。2000円くらいのとてもコスパの良い製品ですがピタッと貼るのが大変で、夫と息子が2人がかりで窓を外して貼りました。

2020年は、COVID-19のパンデミックを目の当たりにするという衝撃的な年でした。100年前のスペイン風邪も2年目が酷かったと聞きます。2021年、どうなるのでしょうか。収束を祈りつつ、感染防止に最新の注意を払って過ごしたいと思います。皆さまも、どうぞご無事で良い年を過ごされますように。

初湯は屠蘇風呂で」への7件のフィードバック

  1. わたしも
    『馥郁たる』ということばが好きです。
    めったにお目にかかれないことばですが
    何の衒いもなくさらっと入っている波多江さまの文章がこころを雅にします。

    • 木枯らしのように心を逆なでするような言葉があふれる今日この頃
          『馥郁たる』
      久しぶりに美しい言葉に出会いました。
      無理だとは思うけど馥郁たる香りが広がる春が来ないかなぁ!

  2. 外気の冷たさと、効能が身体の芯まで伝わる
    薬湯の温かさ
    一句詠めそう

    「馥郁たる」好きなことばです。
    知ったのは、園芸図鑑です。
    沈丁花の花の香を表現するために使われて
    いました。はじめて知ったのにピッタリだと
    思い、胸の高鳴りを覚えました。

    今年も波多江さんの文字や文章でドキドキ
    したいです!
    今年もよろしくお願いします

  3. 明けましておめでとうございます。
    毎回ブログは拝見していますが
    コメントを入れないと参加してないようなので
    出来るだけコメントを送るようにします。

    屠蘇風呂とは初めて聞きました。
    お正月に頂くお屠蘇はこれらの薬草のお酒のこと?
    どちらも一年の無病息災を願ったものなんでしょうね。

    • あけましておめでとうございます。今年も、コメントよろしくお願いいたします。コメントいただくと、ブログを続けていく励みになります。
      屠蘇風呂袋の中身は、お屠蘇パックと同じ薬草ブレンドだと思います。同じ匂いです。お酒(みりん)に漬けるかお湯に漬けるかの違い?

      東京は、これからいよいよ大変ですが、関東にお住まいの皆さま、どうぞご無事でいらしてください。

  4. 謹賀新年!
    昨年は2月16日を最後に飲み会/会合/懇親会/講演会すべて自粛
    皆が自由に行きたいところに行け、会いたい人に会える。
    そんな日々が早く戻ってくるといいですね。

    • 本当に自粛自粛の日々でしたね。この寒さでは庭仕事も散歩もできません。家にいて楽しめることを考えましょう。面白そうなこと思いついたら教えてください。
      どうぞお元気で。

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