アーカイブ | 2月 2023

新型コロナ感染で嗅覚と味覚障害に

レモン・コーヒー・オーデコロンが匂わない

新型コロナウィルスに感染して3日間高熱は出ましたが、幸い肺炎も起こさず軽症で治りました。ただ、熱が下がった3日目から、急に匂いも味も感じなくなり、「ハハァ、これが噂に聞く味覚嗅覚障害か!」と自己観察モードに入った私でした。

鼻風邪を引いた時も食べ物の匂いが分からなくなりますが、味が全くしないということはありません。鼻が利かないと言っても、内側から食べたものの匂いは多少は感じるものです。ところが、コロナの嗅覚・味覚障害は全くの無味無臭状態なのです。食感はあります。豆腐は柔らかいし、セロリはシャキシャキ、納豆はネトネト。ですが、食感のみで無味。うどんに唐辛子を入れたら、舌がチクチク痛かったので味蕾の痛覚は残っていたみたい。味覚障害は、味蕾や神経へのウィルスによる障害に加えて、嗅覚障害に伴う風味障害という説もあります。鼻をつまんで食事をすると味もしなくなる感じでしょうか。

匂いがしないのは怖いものがあります。良い匂いだけでなく、危険を知らせるガス臭や食べ物の腐敗臭も臭わないのですから。魚が焦げるのに気づかず、黒焦げにしてしまいました。

庭のレモンも香りなし

香り高いはずのコーヒーは最もまずい飲み物に。

ミルクを入れるとマイルドな口当たりになり、何とか飲めます。

サンタマリア ノベッラ、ああ、あなたまで…

嗅覚トレーニングと漢方薬

自宅待機が解除されて4〜5日した頃、野菜炒めを味気なく食べていると、ふとピーマンの匂いがしたような気がしました。それも一瞬で消えたので嗅覚が戻ったのかは分かりません。翌日、家族のためにコーヒー豆を挽いていると、チラッとコーヒーの香りが。飲んでみると何とも言えない焦げ臭さと濁った味。でも少し回復して来たことは確かなので、嗅覚トレーニングと漢方薬を続けます。嗅トレは朝晩、4種類の特徴的な匂いを嗅ぐ訓練。嗅覚障害の治療の一つです。外国だと、レモン・ユーカリ・バラ・グローブの4つのエキスらしいのですが、カレー粉・コーヒー・ニンニク・らっきょうなどでも良いと思います。特にカレー粉は嗅覚障害のバロメーターと言われています。

当帰芍薬散と人参養栄湯

実は、コロナ感染前から長年のアレルギー鼻炎で嗅覚が低下し、かかりつけの耳鼻咽喉科で治療をしていたところでした。以前は、ステロイドの点鼻薬なども出ていたのですが、最近は耳鼻科でもステロイドを使わない傾向になっています。その代わり「当帰芍薬散」「人参養栄湯」といった漢方薬が体質に合わせて処方されます。私には「人参養栄湯」が処方され、たくさん手元にあったので、それを毎食前に飲みました。コロナ後の嗅覚低下にも効くとのことで、長引く嗅覚障害の後遺症治療に使われているとか。嗅覚を維持することは将来の認知症を予防する意味もあり、頑張って治療中です。おかげで随分回復したように感じます。でもまだ、散歩の途中に見かける満開の梅の香りがしないのが残念です。

COVID-19感染記

「高齢・基礎疾患あり」

新型コロナに感染してしまいました。この3年、外出は必要最小限、会食の誘いも断り、常時マスクに手洗い励行、細心の注意を払って行動していたのですが…。招きもしないのに、どこからともなく夫にくっついてわが家に忍び込み、2月4日から不法滞在していたコロナウィルスに私も取り憑かれてしまいました。

コロナ検査対応の近所のクリニックを相談センターから教えて貰い、予約の上、検査を受けました。
陽性を示す抗原検査結果。

夫は幸い鼻風邪程度の超軽症で済んだのですが、家庭内二次感染者の私の方はちょっと大変でした。38度の熱が、上がったり下がったりしながら3日間続き、鼻水、くしゃみ、焼けつくような喉の痛み。咳とゴロゴロするタンで夜中に目覚め、体温と血中酸素濃度を測ると、体温37.3度、酸素濃度98%。よかった、大丈夫。体温計・パルスオキシメーター・経口補水液が、私のコロナ療養の三種の神器でした。幸い重症化せずに軽症のまま(とは言え、相当苦しかったですが!)回復したので、酸素測定器はお礼状を添えて福岡市に返送しました。

重症化リスクのある陽性者は検査した医療機関を通して保健所に登録されます。聞き取り調査の上、相談窓口へのアクセス方法、毎日の安否確認?やパルスオキシメーターの貸与などのサービスを受けられます。相談窓口は親切ですし、インスリンを使用する糖尿病患者で間もなく後期高齢者の私も、安心して自宅療養ができました。

知人の呼吸器科医師は、「5回目のワクチンが重症化から守ってくれたと思いますよ」と言いますが、確かに炎症が上咽頭部に限られていて、気道の方へは降りて行かないのが不思議な感じでした。私は喉や気管支が弱くて、普通の風邪でもすぐに気管支炎を起こして息苦しくなるのですが、なぜか今回のコロナ感染は喉元に強力なバリケードがあるような体感でした。飲んだお薬は、解熱鎮痛剤のカロナールだけです。というわけで、自宅待機期間の、発症日から7日間+1日をクリアし、やっと心ゆくまで外の空気を吸うことができました。

ただ、発症3日目から始まった嗅覚障害がまだ治りません。コロナ後遺症で半年以上も嗅覚障害が続くこともあるといいます。無味無臭の生活は本当に辛いものです。味覚・嗅覚障害の話はまた次回に書きますね。