アーカイブ | 5月 2017

四国のお土産 草の葉で作ったバッタ

四国旅行から持ち帰ったお土産。草で作ったバッタです。トノサマバッタかイナゴのような堂々とした姿で、実にリアル。今にも跳びはねそうではありませんか。伝統的な草遊びが残っている大洲(おおず)の町の、無人のお店で見つけました。市内を流れる肱川はゆったりとして清々しい景色です。

 

      

瀬戸の渦潮

山口県の柳井港から、フェリーに乗って四国へ渡りました。愛媛県松山市の三津浜港まで2時間半の航行です。瀬戸内海は穏やかで海面は湖のように滑らかです。連れ合いの運転で松山市を中心に、近郊の古い町~内子や大洲を巡る2泊3日の旅。私は、香川県の高松市や徳島県を訪れたことはありますが、愛媛県は初めてです。船のデッキからは大小さまざまな島が見えます。可愛らしく胸ときめく景色です。

その静かな海面のとろどころに潮が渦巻いている部分があり、「これが渦潮というものか~」と感動して見入ってしまいました。私の旧姓は「村上」と言います。父方の祖父は因島の出身で、村上水軍の血脈が入っていると聞いたことがあります。瀬戸内の景色に心躍るのは、ご先祖さまから受け継いだDNAのせいかも。

松山市も、近郊の内子や大洲という江戸時代から続く古い町並みも、そこに住む人たちも、旅人に優しく親切です。大洲の町で道を尋ねると、土地の方が「散歩のついでですから」と、プロの観光ガイド以上の詳しさで、あちこちを案内してくださいました。古くからお遍路さんをもてなしてきたお国柄だからかもしれません。

 

 

 

 

 

 

モノ捨てる愉しみ

皆さま、いかがお過ごしですか?福岡はこのところ晴天続きです。新緑と明るい陽射しに誘われて、この連休、珍しく洗濯や片づけものに精を出しています。昨日は、自分の部屋の古い書類や雑誌、古着、押し入れの中の黄ばんだ布団カバーなど、リサイクルにも出せないような品々を、福岡市の一番大きな45ℓの袋に詰め込んで、ゴミ出し日に家の前に7個、ずらりと並べました。この爽快感はモノ捨てる愉しみです。

溜まりに溜まったものを捨てるときは、深く考えず、右から左にゴミ袋に入れるのがコツ、なんて言われますが、古いアルバムやノートなどは、やはり中身をしっかりチェックしなければ捨てられません。

本だなの下から「おかしなエピソード」というタイトルの古いノートが出てきました。30年以上も前の、ちょっとした笑える話を収録したノートです。当時、主婦業の傍ら、週に一度、或る大学で哲学の非常勤講師をしていたのですが、そこの学生の爆笑レポート。あまりにでき過ぎているので、本当に学生が書いたものなのか、もしかして私の創作なのか分かりませんけど。

『哲学の時間に、波多江伸子先生から<悔いのない人生を生きるとは?>という課題が出されました。家で夕食を済ませた後、テレビの漫才を見ながら笑っている父に訊ねました。「悔いのない人生って何だろうか?」父は驚いて、「は?何てや」と振り向きます。「良く生きるって何だろう」とボク。「どうしたお前。何か心配ごとでもあるとか?」と父。「オヤジ、死についてどう思う?」とさらに問いかけると、父は急に立ち上がり、「おーい、かあちゃーん。こいつ、ちょっと具合が悪いとやなかね。どうもおかしか」とオフクロを呼びに行きました。オフクロはエプロンで手を拭きながら台所から走って来て、「どげんしたとね?」と、ボクの額に冷たい手で触ります。「母ちゃんは、いつ死んでも悔いのない人生を送っとる?」と訊くと、「小遣いは十分やっとるし、弁当のおかずもちゃんとしたものを入れとるとに、おかしかね。どうしたんやろ」とオヤジと顔を見合わせ、ふたりして「ほんなこつ、おかしか・・」と心配していました。先生、こんなレポートですみません。ボクおよびボクの家族は、哲学的課題には向いていないようです』

こちらは、<モノ捨てる愉しみ>というよりも、捨てようとして片づけていると、思いがけず面白いものを発見する愉しみでしょうかね。