アーカイブ | 1月 2019

発達障害(ADHD)と森田療法 市民公開セミナーの案内

2019年2月17日、14:00〜16:30、発達障害のセミナー開催! 子供から大人まで、ADHDがご心配な方はどうぞ!参加費は無料。九大教授、准教授〜すっごい専門家のお話と、当事者はスミマセン、不肖、波多江です。会場は、福岡市健康づくりサポートセンターあいれふ講堂。申し込み不要。先着100名さま。主催者、九大医学部大学院内、九州森田療法研究会。と、患者会の「生活の発見会」。詳細は以下のチラシをご覧ください。

0117チラシ最終

 

ひょっとして、自分も「発達障害」?と気になる人、すごく多いのではないですかね。家族や友達、職場の同僚のそれっぽい人は、もっとずっとたくさんいるはずですよね。

空気が読めない、約束を守れない、凡ミスを繰り返す、片付けられない、いきなり突拍子も無いことを言う、落とす、失くす、忘れる、取り掛かりが遅い…一緒に仕事をすると困る相手です。私(波多江伸子)も発達障害の仲間、ADHD(注意欠如多動症)らしくて、若い頃はずいぶん悩みました。

発達障害って1つの病名、障害名ではありません。ADHDや、よく知られたアスペルガー症候群、自閉症など何となく大部分の人と手触りの違う、どことなく似た雰囲気の変わった子供や大人を、「定型発達」と引き比べて「発達障害」と呼ぶらしいです。障害というより非定型発達と呼んだ方が良さそうですが。認知症にしても発達障害にしても、そんなに神経質になって悩んだり薬で治したりしなくちゃならないことでしょうか。100年前に考案された日本独自の精神療法、森田療法が神経質の時代である現代に役に立つかもしれません。

そんな話を、3人でするつもりです。

 

今年は筆トレ!懸賞小説に応募してみよう。

最近、とても筆不精になっています。足腰の衰えた高齢者が出不精になるように、文章を書くのが面倒くさくなってしまいました。週1で新聞連載をしていた2~3年前までは、割合、自由自在にものが書けたように思います。連載というのはすぐに締め切り日がやってきます。書くネタが尽き果てても、書かないわけにはいきません。締め切りに追われて必死で走り続ける毎日。その頃は、古いネタをまるで新品のようにリメイクし、レースやリボンで飾り立てるレトリック(修辞)の技も持っていたのですが、もういけまっせん。メールの返信すら億劫です。筆力は筋力と同じように、毎日、ある程度の負荷をかけて鍛えなければ衰えてしまいます。

そこで、今年は筆力を上げるために筆トレをすることにしました。トレーニングには、楽しい目標がなければ続きません。特に私のようなズボラには。そこで、書店で「公募ガイド」2月号を購入しました。「公募ガイド」は、小説やエッセイ、フォト、デザインなど、賞金・賞品のついた公募を網羅した月間ガイドブック。企業主催の、ちょっとしたネーミングコンテストや、○○市のゆるキャラデザイン募集なんてのもあります。「えっ、賞金100万円!(._.)。応募してみようかな。締め切りは?もし受賞したらどうしよう」なんて、獲らぬ狸の皮算用をしている時が一番楽しいのですよね。・・で、今年は、関東地方の或る行政が主催している原稿用紙100枚くらいの小説の賞に応募しようと心に決め、ちょっとワクワクしているところです。構成も筋書きもあらかた決まっているので、とにかく書き始めなきゃ。皆さま方の今年の計画は、いかようなものでしょうか?

(以下の写真はわが家の玄関の一角。新年の花と兄(自然窯)の陶器を飾っています)

真夏の夜の怪談(その3)・完結編 平成 31年 正月

    JR日光駅

「真夏の夜の怪談」。前回は、夜中に暗い部屋の天井に光が走り、壁にはサムライの大きなシルエットが浮かび上がって、慌てて飛び起きた旅先のホテルでの恐怖体験をお話したのでしたね。すわ、東照宮の奥の院に祀られている徳川家康公の亡霊出現か!?というところで話は終わり、後は<続く>。大仰な書き方で読者の興味を煽っておきながら、いつまで経っても続編を掲載せず、皆さまには不消化な思いをさせて申し訳ありませんでした。間が空き過ぎて、今更感満載ですが、責任上、続編を書きますね。

連れ合いと手分けして、物の怪の正体を突き止めることになった私は、洗面所であの叫び声を、難なく再現することができました。なんということはない、浴室の水道栓が古い手回しタイプで、ある角度になると「キーッ」と女性の叫び声のようなきしみ音が発生するのです。そういえば、お湯を出している間は、気味の悪い叫び声がしましたが、シャワーを止めると叫び声も止まりました。

天井を走る明かりは、私のベッドの枕元のライトが完全に消えておらず、時々、行灯のように息づき、明るくなったり、暗くなったりして天井を照らすのでした。つまみを最後まできっちり回して完全に消灯すると、天井を走る明かりも消えてしまいました。

連れ合いは、部屋の電気をつけて壁掛けテレビの裏を調べています。テレビの裏の配線の具合でしょうか。右裏で小さな青い光が定期的についたり消えたりしていて、部屋を暗くすると、まるで右袖がパタパタと動いているように見えるのです。黒い幅広の柱、黒縁の壁掛け時計。その下に大きな壁掛けテレビ。一番下には黒い引き出し。見ようによっては、着物を着てドッシリ座っている大きな人影が団扇か扇子かであおいでいる姿のようでもあります。

部屋中の灯りをつけて、やれやれ、一件落着。お茶でも飲みましょうかと、ふとカウンターの上を見ると、1枚の紙が…。「ただ今、当ホテルでは全館電気工事をしております。不具合がありましたらご容赦ください。」ですってさ。

廊下を走るスリッパか草履かの足音の正体は分からないままでした。座敷ワラシではなく、小さな子供たちがスリッパを履いて走り回っていたのかもしれません。いずれにしても妙な宿でした。

怪談というのは、ビクビクしている時の見間違いや思い込みから始まるもののようです。でも、その時の不気味な雰囲気や恐怖感は結構根深くて、トラウマというほどではありませんが、後引きます。

実は、このささやかな怪談を書いている時、日光でフランス人女性が行方不明になったというニュースが報じられました。私達の滞在とは重なっていないのですが、あの鬱蒼とした森や急流が日本好きの36歳の養護教諭を呑み込んだのではないかと思うと、怖くなってしまうのです。

その女性は、昨年7月28日に、ひとりでJR日光駅に降り立ち、ホテルに一泊した後、翌29日の午前中、軽装で出掛けたまま、戻って来ませんでした。スーツケースもパスポートも部屋に置かれていて、近くを散策するつもりだったようです。女性にはてんかんの持病があり、毎日の服薬が欠かせませんでした。私にも持病があり、注射や薬がないと生死に関わります。定期的に検査もしなくちゃなりませんから、外国でふらっと行方をくらますなんてありえません。栃木県警は、川やダムや森林の中まで警察犬やドローンを使って必死に捜索しました。女性の家族も来日して駅でビラを配ったり、安倍首相やマクロン大統領に直訴したのですが、それから5ヵ月余り経った今も、行方不明のままです。携帯電話のGPS機能はホテル周辺で途絶えているとのこと。昨夏の暑さは慣れた日本人にも耐えがたいものでした。疲れからてんかん発作が誘発されて川に転落し、折しも前日までの雨で増水した流れに揉まれてダムを通り抜け、海に出てしまったのではないかと推測されているとのこと。そうとでも考えなければ、まるで神隠しのような失踪です。早く見つかりますように。

(おわり)