アーカイブ | 6月 2019

ウッドデッキ完成

大工仕事が好きな連れ合い。4月の下旬から毎日ひとりで頑張って、6月初めに懸案のウッドデッキの改築工事を完成させました。10年くらい前に作ったデッキが雨風で腐食し、歩くと板がブワブワして踏み抜きそうで危なくなりました。昨年は変形性膝関節症で歩くのもままならない状態でしたが、ヒアルロン酸注射とリハビリのおかげで、作業が出来るまでに回復。暖かくなるのを待ってようやく工事に着手しました。板を全部剥がし、土台からやり変える本格的な改築です。

デッキの広さは12㎡。土地が傾斜しているので水平にするのが難しかったそうです。長さを計算して必要な材木を注文し、電動カンナで角を削って防水防腐の塗料を塗ります。うちの物置には、ノコギリ、ドライバーなど電動工具、多種多様な釘やネジ、ペンチや金槌がちょっとした工務店のように揃っています。私が手伝ったのは角を削る時の助手。息子は材木を運ぶ手伝い。それ以外は、76歳の連れ合いがひとりでやりました。天気が良い日は、8時間くらい働いていましたっけ。前立腺がんやシェーグレン症候群など難病も持っているのによく体力がありますね〜。学生時代、ボート部にいたので、腕っぷしが強いのでしょうか。(ボートは脚で漕ぐものだと連れ合いは言いますが)

小柄な私がシーツなどを干すときに使う安定の良い踏み台も作ってくれました。

頑張った甲斐あって、以下のような素敵なウッドデッキが完成しました。パラソルとテーブルを置いて、ランチやお茶をすると最高です。

よく見ると、塗料の色に濃淡があり(少し残った塗料があったので色が違っていたけれど勿体無いので使ったとか)、また、なぜかデッキの長さにも長短がありますが、特に問題はありません。プロに頼むと30万円くらいかかるところを10万円以下の材料費だけで済んだので、ほんとに助かりました。築55年の古家ですから、あちこちボロボロ。補修工事を連れ合いがやってくれるのは有難いことです。ヨド物置の隣の、椅子収納場所や塀も廃材で作り、剪定も草取りも掃除も、全部やってくれます。それも、喜んでやってくれる、というところが嬉しいですね。

皆さま、お近くにみえた時は、お茶をしにお立ち寄りください。蚊が多いので蚊取り線香燻しになりますけど。

カラスの子が庭に迷い込む

夕方、帰宅すると、庭にハシブトガラスの子供がいました。連れ合いがウッドデッキを補修しているのですが、その材木の上にうずくまって不安そうに空を見上げています。体長25センチほど。まだ尾羽がなく丸い体型です。最近、うちの庭によくカラスがやって来ます。子ガラスも自分で迷い込んだのか、親と一緒に飛んで来て、力尽きたのか分かりません。

連れ合いは「どうする?水が飲みたいのかもしれない」と心配そうです。私は、老猫メロンを動物病院に連れて行った時、待合室に貼り紙があったのを思い出しました。野鳥のヒナを見つけたら、触らないで、そのままに。と書いてありました。必ず親鳥が近くにいるのだそうです。人間が余計な手出しをすると親鳥が警戒して寄りつかず、助かるものも助からないかも、と連れ合いに言うと、保護する気まんまんだったので残念そうでしたが、そっと見守ることになりました。

親や仲間のカラスたちが、近くの屋根や電線の上に10羽近く集まって、ナントカちゃんがおっこっちゃった、あー、どうしたものか、とカァカァ大騒ぎをしています。子ガラスは庭から玄関へチョンチョンと歩いて移動し、閉まった門扉に体当たりして外へ出たがっています。

私は外に出て、上から見張っている大人のカラスたちに襲われないように、さりげなく、郵便受けを覗いたりしながら、門扉を全開して家に戻りました。二階から見ていると、子ガラスは門を出て車寄せに暫くうずくまっていましたが、頭上の親鳥の指示でしょうか、家の前の細い道をチョコチョコ歩いて行きました。数軒先のお宅の庭に、それはそれは大きな木があって、鳥が巣を掛けているのが見えます。カラスの巣かもしれません。でも、この子ガラスは、まだあんな高いところまで飛ぶことはできないでしょう。親鳥や近所のおばさんカラスたちは、落ちたヒナを草むらにでも隠して餌を運び、飛べるようになるまで地上で育てるのでしょうか。

翌日も、子ガラスが家の前の道を、頼りなげに歩いていました。見上げると大人カラスが数羽、電線の上から私を警戒しながら見下ろしています。もし、猫に襲われそうになったら、飛び降りて来て追い払うのでしょうが、交通事故に遭わないか気がかりです。でも、野鳥は自然に任せるしかありませんよね。頑張れ!カラスの親子。


「鬼平犯科帳」長谷川平蔵は片えくぼ

半年周期で鬱状態を繰り返す、厄介な気質の私。今年は1月から4月まで鬱期でした。このブログを読み直すと、昨年も、梅雨入りまで鬱期だったようです。最悪の気分を何とか持ち直そうと自助努力をする中で、池波正太郎の「鬼平犯科帳」シリーズに助けられました。

子供の頃から、月光仮面やスーパーマン、ウルトラマンなど、勧善懲悪のヒーローものが大好きでしたが、彼らは人間が変身したもので、ロボット風な正義の味方。生身の人間の、生き生きとした魅力はありません。江戸の火付け盗賊改め方長官、長谷川平蔵宣以(のぶため)の元ヤン的キャラは人間味あふれ、個性的で魅力的です。こんなに小説の主人公に夢中になったのは、中学時代の「赤毛のアン」、高校時代の「シャーロック・ホームズ」以来です。

映画やドラマと違って、小説の場合は、お気に入りの主人公の姿形は、読者それぞれが想像するしかありません。鬼平は、どんな見た目だったのでしょうか。テレビドラマでは鬼平役は2代目中村吉右衛門でした。年の頃は40代始め。剣術一刀流の名手で、名刀、粟田口国綱を携え、極悪人相手の立ち回りも鮮やかで、颯爽としてカッコいい。愛妻家で人情家で理想の上司です。

一体、どんな様子の良い男だったのでしょうか。作者の池波正太郎さん自身が編纂した鬼平辞典ともいうべき「鬼平犯科帳の世界」によると、中肉中背の穏やかな風貌、笑うと片えくぼが出来る可愛げのある見た目の中年男性のようです。でも、問答無用で犯人を切り捨て、鼻を削ぎ落とし、捉えた罪人に拷問も辞さない残酷なところもある厳しい役人でもありました。若い頃は盗みの手伝いもした無頼な鬼平の言葉は「悪を知らない者に悪を裁けるか?」というものでした。この人、実在の人物だということです。