レモン・コーヒー・オーデコロンが匂わない
新型コロナウィルスに感染して3日間高熱は出ましたが、幸い肺炎も起こさず軽症で治りました。ただ、熱が下がった3日目から、急に匂いも味も感じなくなり、「ハハァ、これが噂に聞く味覚嗅覚障害か!」と自己観察モードに入った私でした。
鼻風邪を引いた時も食べ物の匂いが分からなくなりますが、味が全くしないということはありません。鼻が利かないと言っても、内側から食べたものの匂いは多少は感じるものです。ところが、コロナの嗅覚・味覚障害は全くの無味無臭状態なのです。食感はあります。豆腐は柔らかいし、セロリはシャキシャキ、納豆はネトネト。ですが、食感のみで無味。うどんに唐辛子を入れたら、舌がチクチク痛かったので味蕾の痛覚は残っていたみたい。味覚障害は、味蕾や神経へのウィルスによる障害に加えて、嗅覚障害に伴う風味障害という説もあります。鼻をつまんで食事をすると味もしなくなる感じでしょうか。
匂いがしないのは怖いものがあります。良い匂いだけでなく、危険を知らせるガス臭や食べ物の腐敗臭も臭わないのですから。魚が焦げるのに気づかず、黒焦げにしてしまいました。
庭のレモンも香りなし
香り高いはずのコーヒーは最もまずい飲み物に。
ミルクを入れるとマイルドな口当たりになり、何とか飲めます。
サンタマリア ノベッラ、ああ、あなたまで…
嗅覚トレーニングと漢方薬
自宅待機が解除されて4〜5日した頃、野菜炒めを味気なく食べていると、ふとピーマンの匂いがしたような気がしました。それも一瞬で消えたので嗅覚が戻ったのかは分かりません。翌日、家族のためにコーヒー豆を挽いていると、チラッとコーヒーの香りが。飲んでみると何とも言えない焦げ臭さと濁った味。でも少し回復して来たことは確かなので、嗅覚トレーニングと漢方薬を続けます。嗅トレは朝晩、4種類の特徴的な匂いを嗅ぐ訓練。嗅覚障害の治療の一つです。外国だと、レモン・ユーカリ・バラ・グローブの4つのエキスらしいのですが、カレー粉・コーヒー・ニンニク・らっきょうなどでも良いと思います。特にカレー粉は嗅覚障害のバロメーターと言われています。
当帰芍薬散と人参養栄湯
実は、コロナ感染前から長年のアレルギー鼻炎で嗅覚が低下し、かかりつけの耳鼻咽喉科で治療をしていたところでした。以前は、ステロイドの点鼻薬なども出ていたのですが、最近は耳鼻科でもステロイドを使わない傾向になっています。その代わり「当帰芍薬散」「人参養栄湯」といった漢方薬が体質に合わせて処方されます。私には「人参養栄湯」が処方され、たくさん手元にあったので、それを毎食前に飲みました。コロナ後の嗅覚低下にも効くとのことで、長引く嗅覚障害の後遺症治療に使われているとか。嗅覚を維持することは将来の認知症を予防する意味もあり、頑張って治療中です。おかげで随分回復したように感じます。でもまだ、散歩の途中に見かける満開の梅の香りがしないのが残念です。